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Autosaurus Rex | 課題との対話 | 1st ノミネート作品紹介

第一回International Auto Film Festaにてノミネートされた作品を応募順に紹介しています。今回は「Autosaurus Rex」スイスからの応募作品。監督はMarcel Barelli。

 

 

今回の映画祭の中では珍しいアニメーション映画。自動車を恐竜の様に例え、子どものナレーションで進行していく作品。声はArthur Barelli。自動車を地球に生息する「生物」として扱うことで、生態系への影響などを上手く表現している。本記事末に掲載しているYouTube内では、英語・日本語の字幕で視聴することが可能です。

 

タイトルが生物の中でも絶滅した「恐竜」を連想させるだけに、時代遅れの存在としての比喩なのかな?と思ったけれど違う様子。自動車の宿敵として現れる自転車も恐竜を連想させる名称になっている。

物語の中でのフィクション性を示す上で、「恐竜」の様な名称を選択したのではないだろうか。ここに気づくと、わんぱくな恐竜たちも愛嬌あるキャラクターとして受け取ることも出来る。絵本と同じ優しい世界。

 

 

この作品は自動車に関する事実を淡々と伝えている。稼働時間より駐車している時間の方が長かったり、環境面での影響が大きかったり、人間にとっても事故などの危険性を抱えていることなど。それらの点を比較的ニュートラルに表現している。

この作品を作るにあたって、作者なりに自動車へ対する感情や考え方を持っていると思う。表現の中でその感情は伝わってくるが、それはあくまで作者の感情であり、共感してくれとは言ってこない。

 

 

現代においては移動手段や物の流通などによって、自動車の恩恵を必ずと言って良いほど受けている。だからこそ、それを否定するのではなく、持続させていくことを考える。それがこの作品の投げかけるテーマなのではないかと感じている。

具体的に自動車を否定してはいない。そこがこの作品の肝なのだと思う。自動車をネガティブに捉えるか、ポジティブに捉えるかの判断は見る側がするべきことであり、少なからず作品が述べているのは事実だ。

 

 

クルマは便利。クルマは楽しい。それだけですべての問題が解決できる時代ではなくなっているのは誰もが認識している。自動車の面白さを持続可能にする上で大切なのは、今気づくことと、今できることを始めることなのかもしれない。私自身は、この作品を見てそう思った。クルマの楽しみ方を未来へつなげること。それが今の時代にクルマの楽しさを知っている人間の重要な役割なのかもしれない。

 

この映画の印象としてイラストの優しさがある。荒々しい生き物として描かれていても、とてもコミカルな一面もあるから怖さは感じない。そんな面もクルマに似ているなと思う。(清水)

 


この作品はfesthome経由で応募されました。
第二回の募集は2024年1月1日から開始。オフィシャルサイト、FilmFreeway、festhome経由での応募が可能となります。