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【シン・クルマ】1970年にやって来た、新しすぎたクルマ | タイムスリップ特撮 | 1st ノミネート作品紹介

“日本らしい特撮”という映画ジャンルを実感する作品です。

 

第一回International Auto Film Festaにてノミネートされた作品を応募順に紹介しています。今回は「【シン・クルマ】1970年にやって来た、新しすぎたクルマ」日本からの応募作品。監督はINOUE IKKI。

 

 

舞台は1970年、そこに現代のクルマ「新型プリウス」が存在しているという設定。

都市に出現した怪獣に追われ逃げる男女二人。タイミング良く目の前にクルマが現れるが、それが2023年式の新型プリウス。当然1970年当時の感覚ではドアロックさえ解除の仕方がわからない。男性はいつまでたっても走り出すことができず、とうとう女性はしびれを切らし・・・結末は作品をご覧ください。

 

 

どんどんと便利な機能が装備されるクルマ。その進化は凄まじいですよね。様々なメーカーの最新車種に乗らせて頂く機会があるのですが、エンジンスタートに戸惑うクルマと出会うことが増えてきました。各メーカーで操作マナーが統一されていないという点もありますが、慣れれば当たり前の様に便利な機能でも、初見では上手く使いこなせるか不安になる人も少なくないのではないでしょうか。

 

作品の中で戸惑う男性のやらかしに、どこか他人事でないあれやこれ。そこにある共感がこの作品を親しみやすくしているポイントと思います。

 

 

世界中に特撮という手法(ジャンル)の作品は多々あるけれども、都市に怪獣が現れるという設定を違和感なく受け入れられるのは、我々日本人が子どもの頃から慣れ親しんでいる設定だからという点が大きいですよね。自動車を絡めて、この設定を持ち込んだ時点で「ありえない状況」でも、「全てあり」にしてしまったと言っても過言ではないと思う。2023年のクルマが1970年にあるということさえも。

 

 

年齢も性別も問わず肩の力を抜いて楽しめる作品こそ、映画というカルチャーの原点かもしれないですね。クスッと笑える、そして誰も傷つけない。それこそ1970年に映画館で流れていた映画って、こんな感じだったのかも。

 

 

鍵を持っていれば近づくだけでドアロックが解除されるのが当たり前。その当たり前を当たり前と思わない視点があったから、この作品が生まれたんですよね。実はそれって凄くないですか?

 

どれだけこの先のクルマの進化についていけるのか?この作品を見て笑っていられるのは今のうちかもしれない。そう思ってしまう怖さも今は無くはないです。(清水)

 


この作品はオフィシャルサイト経由で応募されました。
第二回の募集は2024年1月1日から開始。オフィシャルサイト、FilmFreeway、festhome経由での応募が可能となります。