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Is this the silence? | 驚きの実車撮影 | 1st ノミネート作品紹介

第一回International Auto Film Festaにてノミネートされた作品を応募順に紹介しています。今回は「Is this the silence?」ドイツからの応募作品。監督はDaniel Michaelis氏。プロダクションはFormat67

 

 

この映像はポルシェ911 GT3(992)に装着されたAkrapovic製エキゾーストのプロモーションフィルム。この映像の魅力はなんといっても、迫力ある実車を撮影している点だろう。映像の目的が明確なので広告的な要素が目立ってしまっているが、魅せるために撮られた本当に美しい映像だと思う。

 

 

特に38秒〜41秒付近のドリフト気味に走り抜けていくワンカットが、個人的に最高に心地良い。そこから一旦静寂が訪れ、あらためてエンジンに火を入れる。ストーリーとしては少し説明が欲しいと感じてしまう構成ながら、全体を通したサウンドと映像の緩急こそが、クルマが持つ静と動の魅力を表現していると感じる。走っている時の興奮と、ガレージに収まった時の静けさ。多くの自動車オーナーは双方の美しさを知っている。

 

 

審査時には、マフラーの魅力を上手く表している点も評価された。Akrapovicのマフラーは二輪発祥ということもあり造形も美しいが、やはり奏でるエキゾーストに惚れて多くのオーナー達が選んできたのだと思う。

不要なロードノイズや風切り音はなく、ポルシェエンジンの奏でるエキゾーストが耳に心地よい。それらを際立たせるのは、全体的に配慮されたサウンドだと思う。突如に訪れる静けさや、BGMとして重なる女性ヴォーカル。すべてがポルシェのセクシーさを際立たせている。

 

 

撮影はなんとサーキットにおいて、たった5時間で行われたと聞く。走行するマシンの撮影は難しい。速度が高速になればカメラカーの振動も増えて画はブレる。そしてちょっとしたタイミングのズレで劇車との距離が離れてしまう。もちろん逆に接触の危険性も出る。必要なカットを限られた時間で撮影するには、安定したラインで走行し続ける劇車ドライバーのテクニックと、カメラカーとの連携が重要になる。

たった80秒程の世界ながら、見終えると心にはサーキット走行後の余韻さえ残っている。サーキットを体験したことのある人にはたまらない作品だ。この興奮を是非映像を見て感じて欲しい。CGではない、本当に実車なのだ。(清水)

 


この作品はFilmFreeway経由で応募されました。
第二回の募集は2024年1月1日から開始。オフィシャルサイト、FilmFreeway、festhome経由での応募が可能となります。